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Bajo Juárez: La ciudad devorando a sus hijas

『Backyard/El traspatio』などシウダー・フアレスの女性殺害事件を扱った映画を観たら、これも観なくちゃいけないでしょ、とDVDを買っておいた作品をやっと観れました。

Bajo Juárez: La ciudad devorando a sus hijas [原題]

[基本データ]
■解説とあらすじ:
北米とメキシコの国境にあるシウダー・フアレスで何百人もの女性が性的暴力を受けて殺害されている事件を、娘を失った母、ベラクルスから出稼ぎに来たばかりの希望でいっぱいの娘、新聞記者などを通して、その哀しい実態を伝えている。
■監督:アレハンドラ・サンチェス/Alejandra Sánchez
■脚本:ホセ・アントニオ・コルデロ/José Antonio Cordero/アレハンドラ・サンチェス/Alejandra Sánchez
■製作:アレハンドラ・サンチェス/Alejandra Sánchez
■製作協力/バネッサ・バウチェ/Vanessa Bauche
■製作会社: Foprocine/ Instituto Mexicano de Cinematografía (IMCINE)/ Pepa Films/ Universidad Nacional Autónoma de México (UNAM)
■上映時間:96分
■ジャンル:ドキュメンタリー
■製作国/地域:メキシコ・シウダー・フアレス
■公開年度/日本公開年度:2006年3月10日/未定
■オフィシャル・サイト
http://www.bajojuarez.com/ (西語)
公式サイトでは、『Backyard/El traspatio』主演のアナ・デ・ラ・レゲラはじめセシリア・スアレスやバネッサ・バウチェら数々の有名俳優らがコメントを残したトレーラーが流れます。この問題を聞き飽きた、としないで、ぜひ目を向けてほしい、と。

[REVIEW・CRÍTICA]
■鑑賞日:2009年4月9日(DVD・メキシコ人と)
■勝手に評価:[★★★★★]

■監督のアレハンドラ・サンチェスはシウダー・フアレスのあるチワワ州出身で1973年生まれ。テレビ局で働きながらNI UNA MAS(2001)のドキュメンタリーで多数の賞を受賞。2003年にCUECを卒業し、この作品が初の監督作品。

■製作協力として『アモーレス・ペロス』でガエル・ガルシア・ベルナル演じるオクタビオの兄嫁役が印象的で、最近は社会派の活動が活発なバネッサ・バウチェが。

ドキュメンタリーとしては構成も内容も秀逸だと思います。ただし、ほかの2作品の映画のあとでよかったかも、とも思えました。ドキュメンタリーはより事実を正確に伝えるものとしてもっともいい手段ですが、やはりフィクションとしての映画の方が強い、のが普通です。しかしほかの2本の細部があまりにいい加減なので、この映画のよさが染みます。絶対にこの映画から、いい要素も盗んでいるはずなのにね、と。

隣で一緒に観てたメキシコ人が涙を流しながらも画面から目をそらせないでいました。

娘を失った母たちからの視点や活動を軸にしているのもわかりやすい。メキシコオリンピック開催を目前にして起こった1968年学生運動弾圧殺害事件(トラテロルコ事件)の母たち、アルゼンチンで軍事政権下で拉致され、行方不明となっている若者達の母親が抗議の白いハンカチを下げて歩く運動などとオーバーラップしてみえてきます。

警察に拷問されながら殺人罪を疑われて投獄されている男性らのインタビューからフォックス前大統領のインタビュー映像、レイプされた死体の映像、メキシコシティのレフォルマ通りを練り歩く母親達のデモ、べラクルスから長距離バスに乗って出稼ぎにフアレスに向かう少女のインタビューなど、さまざまな貴重な画像がちりばめられています。その構成の巧みさと映像の豊富さは実はテレビ局出身の強みでもあるんじゃないでしょうか。

映像そのものも美しかった。

メキシカンピンクで鮮やかに塗られた十字架に娘の名前を書き、それを荒野に打ち立てるという残酷な絵ながら、青く広がる空にそびえたつ十字架が神々しいまでの美しさで輝いていました。

15歳の誕生日をほがらかに祝う娘とその母親も本当に美しかった。

また、軽快なリズムと明るい曲調で、この事件に絡んだ悲しみを歌った歌詞をのせたノルテーニョの音楽が映画全体を彩っています。

しかし、このメキシコで15年間続いている女性の殺人事件は、400人以上の女性が殺害され発見され、行方不明者は5000人には達するのではないかといわているのですが、恐ろしいのはこの失踪者や殺害者の数字だけではなく、この事実が報道されるまでにかかった時間、捜索や解決に至れない事情が、この国境の街、という特殊な場所で、政治家や警察官が機能していないどころかその中心にいるとされていることでしょう。

このメキシコの政治と警察、おそらく報道も、の腐敗ぶりと解決までの道の困難さは、日本の常識とはかけ離れた世界で、ここに自分がいることの是非を問われる気さえします。

過ぎ去った過去の汚点ではなく、今現在も続いていること。そう遠くない環境に自分がいること。

正義、を叫ぶ人であふれているのに、同時に正義、なんてこの国にはまだ存在していないことを誰もが当たり前のように認識していること。

こういう事実の前に、それを何とかしよう、と動き出すよりも、保身を第一に考えるのが当たり前の行動である、というのもまた現実であり。だからといって、目を背けることもできない、ということ。

無力感に襲われもするのですが、それでも立ち向かい、報道する人がいるということ、母親達の叫びに救われる思いもしました。
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テーマ : スペイン語映画
ジャンル : 映画

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